不動産会社は何を基準に買取価格を決めているのか
買取価格はなぜ会社によって違うのか?不動産会社が査定で見ているポイント
相続した不動産を売却しようとすると、多くの方が最初に驚くのが「査定額の違い」です。
ある会社は1,200万円。
別の会社は1,500万円。
「同じ不動産なのに、なぜ300万円も違うの?」
そう思われるのも当然です。
私は「相続不動産スマート売却」というサービスを通じて、不動産を自社で買い取るのではなく、複数の買取業者へ一括で査定を依頼し、一番条件の良い会社をご紹介しています。
その中で見えてきた「買取価格の仕組み」をお話ししたいと思います。
査定は5社くらい比較すると相場が見えてくる
私は通常、5社前後の買取業者へ査定を依頼します。
もちろん、全社が査定額を提示するわけではありません。
マンションは扱わない会社。
農地は買わない会社。
その地域が営業エリアではない会社。
会社ごとに得意分野が違うからです。
ただ、不動産会社の方針は意外とよく変わります。
「以前は扱っていなかったけれど、今年から積極的に買うことになった。」
そんなケースも珍しくありません。
だから私は、毎回できるだけ多くの会社へ声を掛けるようにしています。
買取価格は引き算で決まる
不動産会社も商売です。
買い取った物件をそのまま持ち続けるわけではなく、再販売して利益を得ます。
つまり、
販売予定価格
− 商品化するための費用
− 自社の利益
= 買取価格
という非常にシンプルな計算です。
商品化する費用には、
解体費
造成費
リフォーム費
分筆費用
登記費用
などが含まれます。
これらの費用は、どの会社も大きく変わりません。
一番差が出るのは「利益」
では、査定額の違いはどこで生まれるのでしょうか。
答えは「利益」です。
例えば、
「この地域ならすぐ売れる。」
という自信がある会社は、利益を少なくしてでも買います。
逆に、
「売れるまで時間がかかりそう。」
「少しリスクがある。」
と判断した会社は、利益を厚めに確保するため、査定額は低くなります。
実際には、この利益設定の違いが査定額の差につながっています。
実は査定額はそれほど大きくは違わない
5社くらい比較すると、査定額は意外と近い数字に集まることが多いものです。
経験上では、10〜15%程度の差に収まるケースがほとんどです。
もちろん例外もあります。
驚くほど高い査定額が出ることがあります。
その理由は、
すでに購入希望者が決まっている
自社で使う予定がある
特別な販売ルートを持っている
など、何らかの特別な事情があることがほとんどです。
売主様の希望価格は、あえて伝えません
査定を依頼すると、
「売主様はいくらで売りたいと言っていますか?」
と聞かれることがあります。
でも私は基本的に伝えません。
理由は簡単です。
本当にその価格で売れるなら、最初からその価格で買い取ってもらえばいいからです。
私は、
「一番高く評価してくれる会社を探してください。」
という依頼の仕方をしています。
その方が、本当の市場評価が見えてくるからです。
買取と仲介は別物
私は買取を否定しているわけではありません。
むしろ、早く現金化したい方や、一般市場では売りにくい物件には非常に有効な方法です。
一方で、すでに購入希望者が見込める物件であれば、仲介の方が売主様の手取りが増えるケースも少なくありません。
だからこそ、
「まず買取価格を知る。」
そして、
「仲介で売った場合と比較する。」
この順番が大切だと思っています。
比較することに費用はかかりません
買取査定を依頼したからといって、費用は発生しません。
私たちも、実際に売買が成立し、取引が完了したときに初めて仲介手数料をいただきます。
つまり、査定を比較すること自体にはリスクがありません。
だから私は、相続した不動産を売却するときは、
「まずは複数社を比較してから判断してください。」
とお伝えしています。
数百万円の差が生まれることもある不動産売却だからこそ、一社だけの査定で決めるのは、もったいないと思うのです。



